【全社】軽自動車はなぜ660cc?

軽自動車が660ccという排気量になって約25年が経過しました。 ところで、軽自動車はどのようにして660ccという排気量になったのでしょうか??

14年続いた550cc時代

1976年、それまで360ccだった軽自動車の排気量はまで550ccまで拡大されました。
大きな理由は、排ガス対策で出力低下が発生したためだそうです。
1970年の米国マスキー法は日本にも影響を与え、出力の小さな軽自動車で排ガス対策を行うと力不足であると判断され550ccへ拡大されました。
550cc時代の終焉を迎える少し前、1987年にはアルトワークスが64馬力を発揮し、ここで発生した馬力規制が現在まで続いています。
550cc時代の軽自動車の車体サイズ上限(規格)は「全長3.2m×全幅1.4m×全高2m」で、
全高2mに関しては、1949年の軽自動車誕生から変わっていません。

550ccをベースに1.2倍に

どうして550cc→660ccという数字になったのか??
全長の規格も10cm拡大され、車格が大きくなり、安全対策も行うとボディが重くなり、NAの550ccでは非力だからという理由でした。30%の出力向上をめざし、20%の排気量増加と10%の技術革新でおおよそ達成できるという判断され、「550cc×1.2=660cc」という数字に決まったといわれています。
1998年、ボディサイズも拡大し「新規格」と呼ばれる現在の軽自動車規格になり、全長は更に10cm伸び、全幅も片側4cm拡大することが可能になりました。幅は以前販売されていたサニトラ等と変わらないほどのサイズになり、より快適になったそうです。
660cc規格になってからはNAエンジンでも50~60馬力を発揮し、ターボを装着した車両はトルク10kgm(※NA1000cc級)となり、街乗りでは快適な運転が可能になりました。

コンパクトカーの税金が安くならず、逆に軽自動車の税金がアップした状況

日本では軽自動車がかなり普及していますが、理由は自動車税が安いのも理由のひとつでしょう。

年間10,800円(自治体によっては~1.5倍)という自動車税の安さは魅力的ですね。
一方1000cc以下の普通乗用車は29,500円、1500cc以下は34500円となっていますから、
登録しているだけで払わなければならない金額に3倍以上の開きがあり、あまり自動車を乗らない家庭からしてみれば、大きな維持費の負担に繋がります。
「何故、ドアが分厚く作られている(安全性)、車種によっては軽自動車より燃費が良いコンパクトカーも存在するのに、税金にこれほどの違いがあるのか??」という点は、多くの自動車愛好家・専門家にとって疑問でした。

今流行りの軽自動車は「軽くない??」

税金以外でもコンパクトカーとの格差が指摘されています。
普通乗用車は、0.5トンごとに重量税が変化し、それは車検時に直接負担となります。
コンパクトカーは、衝突安全性を高めるなどの対策により、「燃費が良く定番」と言われる1300cc~1500ccクラスでも車重1000kgを僅かに超え、1500kg以下と同じ重量税になるケースも増えてきました。
「安全だと思って軽よりコンパクトカーを選んだのに車検が高い・・・」という疑問が生まれます。
更に疑問なのは「軽自動車なら1000kgを超えていても重量税が一定」という点でしょう。
1010kgのコンパクトカーと1010kgの軽自動車では、重量税の額が大幅に違い、車検時に約4倍もの差が発生していることになります。
「重量税」という名目にも関わらず、軽自動車に関しては「660ccの車種」に対して重量税が課せられていることになります。